TOP MESSAGE

強いニッポンの
未来を支える
「空間情報」の
担い手で
ありたい

基礎地盤コンサルタンツ 代表取締役

柳浦 良行

今、わたしたちが重要視しているのは「インフラ空間情報」という言葉です。社会インフラが構築されている「地圏(地盤、地下水)」、「水圏(河川、海)」、「気圏(宇宙)」の空間情報や土木・建築構造物などのインフラ情報を提供し(インフラ空間情報事業)、その結果を踏まえた土木設計、エネルギー開発を行い(インフラ整備事業)、安心で夢のある「未来社会」を実現していくことが、当社のいちばんの使命だと思っています。

当社はもともと、ボーリングによる地盤のサンプリング、土質試験など、地盤に関する「線の情報」のパイオニアでした。先代の社長(森博)は、昭和28年に「株式会社土質調査所」を設立し、わが国における地盤調査の専門企業としての地位を確立しました。
先代は、調査だけではなく、そのデータを有効に活用するためのコンサルティングに注目しました。いわば、「職人の勘」に頼っていたプロジェクトの安全性や効率を、「専門家の解析による確かな情報」へと転換させることを目指したのです。

日本が先進国への躍動を始めた1950年代、建設プロジェクトの大型化も進みました。世はまだ「そろばんと計算尺」の時代。土木工学、地盤工学に関する調査・研究は、まだまだ試行錯誤の連続でした。日本の高度経済成長が生み出したインフラ整備は、多くの企業のたゆまぬ努 力と、当社の生み出してきた「技術」が、確かな現場を支えてきました。

現場でのボーリング調査の管理、試験データの評価・数値解析、報告書の作成、土木設計、コンサルティング。建設現場での、目に見えない事態を可視化する。安全に「モノ」をつくりあげ、利用していただくためのたしかで効率的な「設計思想(アーキテクチャー)」をご提案させていただく。私たちの仕事は、魅力ある仕事であると同時にまた、常に現場での解決策を求められる、責任重大な仕事なのです。


私自身も、明石海峡大橋、関西国際空港などの調査・試験を担当し、その後の阪神大震災で、(その当時は予測できなかった)「液状化による土木・建築構造物の被害」の惨状も経験しました。地震を経験するたびに、日本の「土木、建築の設計レベル」は上がっていきます。特に地盤の液状化に関しては、新潟地震(1964年)で気づき、阪神淡路大震災(1995年)で目が覚め、東日本大震災(2011年)でさらなる自覚を促され、地震のたびに液状化の調査・試験・評価・対策・設計方法の技術開発を行い、世界に向けて発信し続けております。災害自体はもちろん痛々しいことですが、日本で暮らすうえでこのような変化はある意味必然であると受け止めていかなければならない宿命なのかもしれません。そういう意味では、先の震災で事故を起こした原子力発電所の廃炉問題なども、いずれわれわれが積極的に関わっていかなければならない仕事のひとつなのだと思っています。

当社は、創業以来長い間、地盤調査・試験・土木設計に対して先進的な役割を果たし、これらの成果は基準・マニュアル類として関係者に利用されています。今後は、さらに一歩先を行く体制で「次なる先進的な役割」を担っていかなければなりません。「線の情報」から「面の情報」、そして「空間の情報」へ。地盤から始まった調査・試験・解析・土木設計などのノウハウは、いま、「海」(水圏)「宇宙」(気圏)へも広がろうとしています。

地盤調査会社、土木設計会社から「新たなる情報産業会社」へ。われわれは立ち止まることなく、未来へ向け、前進し続けなければならないと考えています。

インフラ空間情報事業とインフラ整備事業


インフラ空間情報事業とインフラ整備事業