WordやExcel，Power Pointのファイルの拡張子は，Office2010まではdoc，xls，pptでしたが，Office2013からdocx，xlsx，pptxの様に，後にx（マクロ付きのファイルではxの代わりにm）が付くようになりました。このとき，私の様なユーザーにとっては，このとき，大きな変化が二つ起きました。 動画がファイルに埋め込めるようになった。PPTに動画を入れることは普通に行うことですが，Office2010までは，動画のリンク先を記憶するだけでした。講演などでファイルをコピーする際にはPPTファイルと動画ファイルの両方をコピーしていく必要がありました。しかも，動画のリンクが見えないので，動画が動かないと言うこともたまにありました。これが，2013からファイルの中に埋め込むことができるようになりました。ファイルサイズは大きくなりますが，ファイルが一つだけなので，楽になりました。 ファイルの形式がXMLファイルになりました。XMLファイルと言ってもわからない人がいると思いますが（私も名前だけですが），ファイルの中がわかるようになったのが特徴です。 　ここでは，後者，すなわちXMLファイルに変わったことに関する話題をお話しします。 1．ファイルの中身 　XMLファイルなのに，拡張子がdocxなどになっているのは，Officeが勝手に付けているだけです。そこで，doczをzipに変えます（警告が出ますが無視）。すると，zip圧縮ファイルになっていますので，ダブルクリックすると解凍でき，中を見ることができます。例えば，私の2011年東北地方太平洋沖地震の体験記の最初の写真に説明を付けたファイル というファイル作ります。拡張子をzipに直して解凍し，エクスプローラーで見ると の様なフォルダ構造が見えます。この中のWordというフォルダの中は次の様です。 XMLファイルはテキストファイルですから，たとえば，document.xmlというファイルをテキストエディタで開くと という内容が見えます。2行目は2000文字近い行ですが，ここに，Wordファイルで入力した「地震直後の私の机」という文字が見えます。残りはWordの制御用のコマンドです。 　この辺までは，わかっても何の役にも立ちません。役に立つのはこれからです。元に戻って，Wordのフォルダの中にmediaというフォルダがあります。この中には， といことで，「image1.jpeg」というファイルが見えますが，これが貼り付けた写真です。沢山あると，1，2，3...と番号が順番に増えていきます。 　何が便利かって？　WordやPPTのファイルからイメージをそのまま取り出せるのです。PPTに貼り付けた動画ファイルも同じ所に保存されています。取り出す方法は色々考えられますが，これがオリジナルから取り出せるので，一番確実です。 　なお，BMPファイルは，PNGファイルに置き換えられます。PNGファイルはJPGファイルのように画像を劣化させるのではなく，画像を劣化させないでファイルサイズを小さく押さえるファイル形式です。 　また，Wordには高解像度の写真などを貼り付けたときには解像度を220DPI（オプション→詳細設定→イメージのサイズと画質で変更可能）に再設定する機能が自動で付いていますが，写真を別に用意した同じ名前のPNGファイルと置き換えることによって交換することもできます。もちろん，この機能は，先のオプションの所で，ファイル内のイメージを圧縮しないにチェックすることで避けることはできます。

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