地盤解析

地盤解析とは、地盤の特性や挙動を数学的に分析し、建築物や構造物の設計・施工に役立てる技術です。地盤解析は、地盤の安全性や安定性を評価するために不可欠であり、静的変形解析、安定解析、地震応答解析、沈下解析、地下水解析などの解析技術を駆使することで、地盤を詳細に把握し、地盤改良や補強対策の立案、施工方法の選定などに重要な役割を果たします。

地盤解析

近接施工に伴う周辺地盤の変形量を予測


近接施工に伴う周辺地盤の変形量を予測

地盤改良に伴う周辺の施設への影響(変形)

市街地などで土木工事を行う際、地盤改良や開削による周辺地盤の変状や重機の振動による影響がどの程度あるのかを把握しておく必要があります。施工段階に沿った地盤の変形解析を実施することで、地盤改良時、開削時や重機の振動が周辺の施設へどのくらい影響(変形)するかを予測します。

シールド施工に伴う周辺地盤への影響

都市部では地下鉄工事、下水管工事など、地下工事のあらゆるシチュエーションにおいて、シールド施工が行われています。その際、周辺地盤の変形や地上部の陥没が問題となります。施工段階に沿った地盤の変形解析を実施することで、シールド施工に伴う周辺地盤の変形量・沈下量を予測します。

山岳トンネル施工に伴う周辺地盤への影響

山間部においてトンネル工事を行う際も、周辺地盤の変形が問題となります。地盤の変形解析を実施することで、トンネル施工に伴う周辺地盤の変形量・沈下量を予測します。

地表水・地下水に関する問題をシミュレート

タンクモデルによる地下水の流れを予測

国土のほとんどが山間地である我が国の河川は、河床勾配が急で水の流れが速いという特徴があります。豪雨時は洪水被害が起こりやすく、降雨がどのように流れるかを予測することが重要となります。簡易なモデルイメージでありながら、比較的再現性の高い「タンクモデル」を用いて降雨の地表面流出、地下水流出を予測します。

河川堤防の浸透を予測

二次元浸透流解析で、河川堤防の豪雨時の浸潤面の算出・浸透力を算出し、堤防の安全性を確保し多くの方々の安全を守ります。

山岳トンネル掘削、シールド施工による地下水の流れへの影響を予測

トンネル工事やシールド施工を行う際、周辺地盤の地下水の変動や周辺井戸の渇水、地下水の水質変化などが問題となります。三次元広域浸透解析を行い、トンネル掘削、シールド施工による地下水への影響を予測します。また、三次元移流拡散解析では、掘削に伴う汚染物質の移流拡散を予測します。


トンネル施工による地下水低下量の数値解析結果

トンネル施工による地下水低下量の数値解析結果

地震に強いインフラ設備を作る

地震時における防潮堤の変状を予測

地震時の海岸保全施設の健全性を評価することは重要です。防潮堤などの海岸保全施設に対する二次元地震応答解析を行い、地震時の変状を予測します。地震時の変形量が許容値を超える場合は、対策工の選定を行い、その効果を検討します。


東日本大震災で被災し復旧した防潮堤

東日本大震災で被災し復旧した防潮堤

地震時における河川堤防の変状を予測

液状化を考慮した二次元静的解析や二次元地震応答解析を行い、地震時の河川堤防の変状を予測します。地震時の変形量が許容値を超える場合は、対策工の選定を行い、その効果を検討します。

山間部・斜面で起きるあらゆる災害をシミュレート

斜面の安定性を検討

国土のほとんどを山間部で占める我が国では、豪雨や台風、地震による斜面の表層崩壊や岩盤の滑落の危険性があり、また、道路盛土・河川堤防や宅地の崖面等の変状は、社会生活に影響を及ぼします。二次元斜面安定計算を実施し、斜面の安定性を確保します。


熊本地震時におけるA地区斜面の最大せん断ひずみ分布図

熊本地震時におけるA地区斜面の最大せん断ひずみ分布図

豪雨時または地震時の土砂流出を予測

豪雨時や地震時「斜面崩壊」を防ぐための「のり面保護対策」は非常に重要なインフラ設備です。三次元地すべり発生運動シミュレーションを実施し、崩壊した土塊がどのくらいの範囲に、どのような経路で流出するかを予測します。

耐震検討を行うための地震動作成

レベル1、レベル2地震動作成

近年の耐震検討で用いる設計地震動は標準波のみではなく、検討対象地点周辺で発生する可能性の高い地震を対象としたサイト波を作成することが求められています。設計地震動は供用期間内に発生する可能性の高い地震動(レベル1地震動)と供用期間中に発生する確率は低いが大きな強さを持つ地震動(レベル2地震動)という2つのレベルに分けられています。当社では、建築基準、港湾基準他による地震動作成を実施しています。


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