岩崎社長のインタビュー記事が新聞に掲載されました(3)/強みである"地盤"軸に成長路線を

プレスリリース

日刊建設工業新聞 2019年3月26日[11面] 創刊90周年企画 建設コンサルタントの新機軸 より

基礎地盤コンサルタンツ 強みである”地盤”軸に成長路線を

代表取締役社長 岩﨑 公俊氏


 地盤に強い総合コンサルタントとして 65年にわたり国内外のインフラ整備や防災・減災などに取り組んできた基礎地盤コンサルタンツ。地盤・地質調査の重要性をアピールし、地盤コンサルタントの地位確立に貢献した業界の先駆けでもある。「地盤という本分を忘れずに」と経営方針を語る岩﨑公俊社長に、基礎地盤コンサルタンツの現状とこれから目指す姿を聞いた。


現在の市場動向について教えてください。


 全国で自然災害が頻発し、特に近年は土砂災害が増えている印象です。当社も応急復旧のための調査業務を数多く受注しています。政府が総事業費7兆円に上る国土強靱化緊急対策を打ち出すなど、地盤コンサルタント業界には追い風が吹いていると言えるでしょう。事前に地盤を調査して災害リスクを把握したり、インフラの予防保全に取り組んだりといった動きが広まっており、われわれが長年訴えてきた地質リスクマネジメトの重要性が浸透してきたと感じています。

 受注は好調ですが、そうなると災害時に急を要する業務への対応力が問題になります。自治体との災害協定も年々増えています。災害復旧で最初に行うことは調査ですから、当社のような地盤調査業が即応できないとその後の復興がれてしまうため、責任は重大です。現在は発注者のご理解により応急復旧業務を優先させていただくこともありますが、緊急対応を優先するための納期延長を認める制度ができればよいと思います。

受注増に対応して生産性向上が求められるとともに、強靱な国土の実現のためには高い品質の確保も欠かせません。どのように取り組んでいますか。

 コストを抑えながら精度の高い調査・分析ができる技術の開発を行っていきます。従来の方法では高精度の試料採取ができない砂礫地盤などに力を発揮する「GPサンプラー」は、2018年に日本発明振興協会から発明大賞を受賞しました。この技術は海外でも注目され、欧州の大手地盤調査会社や著名な研究機関に販売しています。現在開発に取り組んでいるのは、衛星を使って地盤の変形をモニタリングし、要注意個所をスクリーニングする技術です。広範囲の地盤をすべて調査するより、大幅にコストと時間を節約できます。AI(人工知能)で岩石の種類を自動判定するシステムの開発にも着手しました。こういった技術開発に引き続きチャレンジしていきます。

今後伸ばしていきたい事業領域は。

 再生可能エネルギーが有望だと考えています。中でも、天候に左右されない地熱発電は日本の基幹電源へと成長できる大きなポテンシャルがあります。当社の知識・経験を生かせる分野であり、すでに国内で数多くの調査を実施してきました。青森県内のプロジェクトでは、地熱発電を活用したまちづくりにも携わり、今後も地方創生の一端を担っていきたいと思っています。発電事業のSPCに出資するなど運営面にも積極的にかかわっていく方針です。

 国の政策の後押しを受け、ここ数年は洋上風力発電関連の受注も伸びています。洋上風力は、地盤コンサルタントの中では当社が先駆けですが、今後は競争が激しくなるでしょう。きちんと実績をアピールしていけば、現在15億円に成長したエネルギー分野の売上げをさらに積み上げることは十分可能とみています。

海外事業の現状と、これからの展望を教えてください。

 1970年代から事業を行っているシンガポールが海外事業の核であることは変わりません。インフラ投資をテコに経済成長を遂げてきた同国は、お金をかけて地盤調査をしっかりやれば、トータルコストを抑えられることを理解しています。当社は、MRT(地下鉄)やチャンギ空港、マリーナベイサンズといっつたシンガポールを代表するインフラ・構造物の関連業務を手掛けてきました。工事が進む世界最大級のトゥアス港湾プロジェクトでは、総額20億円規模の海上調査を実施しています。長年の実績で築いてきた信頼を元に政府発注業務を確実に押さえていきます。

 海外事業全体は近年伸び悩み、踊り場にあると言わざるを得ない状況でしたが、世界のインフラ需要は今後も伸びていくと予想されます。これを機に、シンガポールのほか現地法人を置くマレーシア、関連会社のあるインドネシア、長大が強みを持つフィリピンなどアジア各国で拡大を狙い、売り上げに占める割合を早期に現在の十数%から当面15%以上へ高めることを目指しています。

各社が働き方改革に取り組んでいます。

 業界が苦しかった時代に人員を絞ったため、技術者の業務範囲が広がりすぎているのが大きな課題となっています。受注が増え、体制を強化している今こそ、仕事内容を棚卸しして整理しなおす時期に来ています。技術者が専門分野に専念できる環境づくりを、働き方改革の一環と位置づけて取り組んでいきたい。制度面の充実はもちろんですが、何より重要なのは すで意識改革だと思っています。必要な投資をしっかり行ってソフト・ハードを充実させるとともに、社員が意欲高く効率よく働ける策に知恵を絞ります。働き方改革は生き残りのために絶対必要。当社の未来のため責任を持って実現させる覚悟です。

昨年創立65周年を迎えました。今後への意気込みを教えてください。

 1953年の設立以来、地盤に強い総合コンサルタントとして国づくりに貢献してきました。手掛ける仕事は世界各地に広がり、業務の多様化も進んでいますが、原点である「地盤」が当社の本分であることを忘れず、強みを生かせる分野での成長に注力していきたいと考えています。