海底地質リスク評価に関する共同研究契約を山口大学と締結しました

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 基礎地盤コンサルタンツ株式会社(本社:東京 柳浦良行社長)は、海底地質リスク評価に関する共同研究契約を山口大学と締結しましたのでお知らせします。

 弊社は洋上風力発電に関わる海底地盤調査のトップランナーとしてこれまで多くの海域において調査を行い、事業者の方々に風車基礎設計やウインドファーム認証に必要な地盤情報を提供してきました。

 洋上風力発電は欧州を中心として発展してきましたが、その欧州で近年実施されてきているものが海底地盤に潜むジオハザードの評価です。洋上風力発電に影響を与えるジオハザードの代表的なものは海底砂丘の移動による地形変動です。海底地形が変動すると風車基礎のモノパイルの土被り長の変化によって固有振動数が変わり、ブレードの回転振動との共振を防ぐ設計が破綻するなどの問題もあります。海底地形変動以外には、混濁流、海底地すべり、浅層ガスなど様々なジオハザードがあり、これらは洋上風力発電事業に対する地質リスクとなります。これらのリスクにおいて重要なポイントは、風車レイアウトを回避せざるを得ないケースがあることです。したがって事業の初期段階においてジオハザードを抽出し、海底地盤の地質リスクを評価する必要があります。

 弊社は日本沿岸域において洋上風力発電事業を発展させるためには、これらの海底地質リスクの評価が重要であると考えました。日本の沿岸域において海底地盤のジオハザードと地質リスクの評価技術は確立されていません。そこで、海底地質リスクの抽出・評価技術を確立するとともに、事業者の皆様にリスク評価サービスを提供することを目的として、この分野のトップランナーの一人である山口大学(川村喜一郎准教授:大学院創成科学研究科)と海底地質リスク評価に関する共同研究契約を締結しました。海底地質リスクの抽出・評価マニュアルの作成を今年度中の完成を目指しています。


海底ジオハザードのイメージ図