平成28年熊本地震で被災した国道57号阿蘇大橋ルートが全線開通

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 2016年4月に発生した一連の熊本地震のうち,4月16日の地震によって阿蘇カルデラ外輪山の山体斜面に大規模な斜面崩壊が発生しました。これに伴い斜面裾部を通過するJR豊肥本線と国道57号が寸断されたほか,黒川を挟んで国道57号と国道325号を結んでいた阿蘇大橋が落橋しました。
 弊社は,この大規模斜面崩壊の現場にいち早く駆けつけ,復旧に向けた調査・設計に尽力したほか,落橋した阿蘇大橋の代替ルートとして計画された「新阿蘇大橋」の基礎調査を担当しました。「新阿蘇大橋」はグループ会社である(株)長大の設計によるもので,断層変位に配慮した構造をもつ国内最大級のPC橋です。
 このように,我々はグループを挙げて,この大災害に取り組みました。その結果,「新阿蘇大橋」の完成を待って,本年3月7日に,地元が待ち望んだ全線開通が実現しました。開通式の様子は,コロナ禍によりリアルタイムでWEB配信され,地元の方々の喜びの様子が伝えられました。
 なお,ひと足先に復旧された大規模斜面崩壊は,その後「数鹿流(すがる)崩れ」と命名され,震災遺構として,この大災害の記憶を今に伝えています。


大規模崩壊発生時の様子


震災遺構「数鹿流崩れ」として復旧


位置図(地理院地形図使用)


大規模崩壊と「新阿蘇大橋」