当社の洋上風力の調査技術が新聞特集記事で取り上げられました

プレスリリース

2020年(令和 2年) 9月29日(火曜日)電気新聞 掲載

*エネ・環境業界最前線*  地質調査 =特集=

基礎地盤コンサルタンツ 「洋上風力の海底地質リスク評価に注力」

 基礎地盤コンサルタンツ(東京都江東区、柳浦良行代表取締役)は、洋上風力発電に関わる海底地盤調査のトップランナーとしてこれまで多くの海域において調査を行い、多くの事業者に風車基礎設計やウインドファーム認証に必要な地盤情報を提供してきた。
 洋上風力発電は欧州を中心として発展したが、その欧州で近年実施されてきているものが海底地盤に潜むジオハザードの評価。洋上風力発電に影響を与えるジオハザードの代表的なものは海底砂丘の移動による地形変動だが、海底地形が変動することによって埋設ケープルが海底面に露出し、船舶アンカーや漁具などによって破損するリスクが大きくなる。
 また、海底地形が変動すると風車基礎のモノパイルの土被(かぶ)り長の変化によって固有振動数が変わり、ブレードの回転振動との共振を防ぐ設計が破綻するなどの問題もある。

 海底地形変動以外には、海底面を高速で土砂が移動する混濁流、海底地すべり、浅層ガスなど様々なジオハザードがあり、これらは洋上風力発電事業に対する地質リスクとなりえる。これらのリスクにおいて重要なポイントは海底のジオハザードは対策工事ができないことが多く、風車レイアウトの工夫でリスクを回避せざるを得ないケースが発生しており、事業の初期段階においてジオハザードを抽出し、海底地盤の地質リスクを評価する必要がある。

 同社は日本沿岸域において洋上風力発電事業を発展させるためには、これらの海底地質リスクの評価が重要であると考えている。しかし日本の沿岸域において海底地盤のジオハザードと地質リスクの評価技術は確立されていない。
 そこで、海底地質リスクの抽出・評価技術を確立するとともに、事業者にリスク評価サービスを提供することを目的として、山口大学と海底地質リスク評価に関する共同研究契約を締結し、今後は海底地質リスクの抽出・評価マニュアルの作成を行い 2021年度の完成を目指す。
 また、世界的な海上地盤調査・評価業務の経験が豊富なノルウェー地盤工学研究所(NGI)と相互協力に関する覚書を締結し、今後の日本での洋上風力プロジェクトの調査・評価方法を共同で研究していく計画だ。


海底ジオハザードのイメージ図


関連情報

ノルウェー地盤工学研究所(NGI)と洋上風力プロジェクトに関する 相互協力に関する覚書を締結
海底地質リスク評価に関する共同研究契約を山口大学と締結しました
洋上資源開発調査